冷蔵庫の「野菜室」、実は野菜以外の食材でも保存に適したものがあります。
けれど、肉を入れるのは避けた方がベター!
野菜室は野菜や果物に最適な温度と湿度が保たれていますが、肉を保存するには温度が高すぎて腐りやすくなる危険性があります。
この記事では、野菜室に入れるべき食材と、入れない方が良い食材を分かりやすく解説します。
誤って肉や魚をを野菜室に入れてしまった場合の対処法についても説明しているので、ぜひ参考にしてください。
野菜室と冷蔵室の温度・湿度の違いを徹底解説
野菜室の温度・湿度設定
野菜室の温度はおおよそ7〜10℃に設定されています。
冷蔵室が一般的に2~4℃と低温なので、だいぶ温度が高いですよね。
これは、野菜が低温障害を起こさないよう考えられた温度です。
また、湿度は20〜50%と高めに保たれていて、冷蔵庫よりも10%ほど高く設定されています。
野菜は乾燥するとしなびてしまいますが、湿度が高いことで水分が保たれ、鮮度が長持ちします。
最近の冷蔵庫では、湿度をさらに高く設定し、鮮度をキープ。
約10日間も野菜が長持ちする東芝のベジータシリーズなど、湿度95%以上を維持する機能も登場しています。
ただし、この高湿度が肉や魚には逆効果になることがあります。
高湿度環境は菌が繁殖しやすくなり、肉や魚が腐りやすくなる原因になるのです。
冷蔵室との比較:保存に適した食品の違い
冷蔵室は一般的に2〜4℃と低温で、湿度は野菜室よりも低いのが特徴。
温度が低いため、肉や魚、乳製品などの要冷蔵食品の保存に適しています。
菌の繁殖を抑えられるため、食材が傷みにくい環境です。
一方、野菜室は温度が少し高く、湿度も高いため、葉物野菜や果物の保存に適しています。
ただし、肉や魚など傷みやすい食品は野菜室には向いていません。
冷蔵室と野菜室では温度や湿度に明確な違いがあるため、保存する食品は適切に使い分けることが大切です。
野菜室に入れるべき食品5選:野菜以外もOK!
野菜室は野菜専用のイメージがありますが、実は野菜以外の食品にも適した保存場所です。
- お米
- 漬物類
- 調味料
- 2リットルのペットボトル
- 果物
ひとつずつ解説していきますね。
お米
お米は温度や湿度の影響を受けやすく、保存場所によっては虫やカビが発生することがあります。
お米に害を及ぼす虫は、湿度が高く温度が18度以上の場所に発生しやすいため、湿度が低めで温度が安定している野菜室に保管することで、虫の発生が防ぎやすくなります。
さらに、湿度が過剰になるとお米がカビやすくなるため、過剰な湿気を防ぎつつ、酸化を遅らせるために野菜室は最適な場所です。
常温で保存するよりも、鮮度を保ったまま使い切ることができます。
野菜室に保存する用の容器を使うのがおすすめ。
「これあったら絶対便利!」な商品を発売してくれる山善実業のtowerシリーズにも野菜室用の米びつがあります。
最後の一粒まですくいやすい四角い計量カップがついてるのがうれしい米びつです!
漬物類
漬物は適度な湿度がないと、乾燥して味や風味が落ちてしまうことがあります。
野菜室で保存すれば、湿度が高すぎず、乾燥することなく風味が長持ちします。
また、温度が低すぎると漬物の発酵が進みにくく、逆に高すぎると発酵が進みすぎてしまうため、野菜室の温度はそのバランスを保つのに最適。
漬物の中には塩分が含まれているため、湿度や温度の管理が難しい場所では劣化しやすいもの。
野菜室はとくに、冷蔵庫よりも温度が安定しやすく、長期間、風味を損なうことなく楽しむことができます。
特に夏場や気温の変動が激しい時期には、野菜室に保存することで温度変化を最小限に抑えられます。
調味料
未開封の調味料は基本的に常温で保存可能ですが、開封後は品質を維持するために冷蔵庫や野菜室で保存する方がいいです。
具体的には以下のものは、冷蔵庫よりも野菜室の方が適しています。
- 醤油
- 酢
- マスタード
- オリーブオイル(開封後)
湿度が高めで温度管理がしやすい野菜室では、醤油や酢、マスタードの風味を長持ちさせることができます。
野菜室は高さがあるので、醤油の大き目のボトルも保存しやすいですよ。
オリーブオイルは冷蔵庫で保存すると固まることがありますが、野菜室で保存することで油が酸化しにくく、風味を維持できます。
2リットルのペットボトル
野菜室は一般的に冷蔵室よりも広いスペースが確保されていて、2リットルのペットボトルを立てて収納することができます。
大きすぎて邪魔になりがちな2リットルのペットボトルも、場所を取らずに効率よく収納できます。
また、飲み物が冷たくなりすぎることなく、常にちょうど良い温度に保てるのもポイント。
特に夏場など、冷たい飲み物を常に飲みたいけれど、胃腸を冷やし過ぎるのは嫌と言う場合は、野菜室にペットボトルを置くとちょうどいい温度で飲めますよ。
果物
果物は種類によって保存方法が異なりますが、ほとんどの果物が野菜室で保存できます。
果物は温度が低すぎると甘みが落ちるため、野菜室の高めの温度が最適。
また、乾燥すると果物の風味が損なわれたり、しなびてしまったりしますが、野菜室に入れることで防げます。
温度や湿度が常に安定しているため、果物の鮮度や風味を長期間維持できます。
例えば、バナナやアボカドなどは常温保存が推奨されることが多いですが、野菜室に保存することで過剰な湿度や気温の変化を防げるため、鮮度が長持ちすることがあります。
果物は基本的には常温で熟すのを待ち、野菜室で保存するのがよいですよ。
野菜室での肉保存は危険?その理由と対策
野菜室の温度は一応10℃以下ではあるので、常温で放置するよりはマシですが、あまり肉や魚の保存に適した場所とは言えません。
その理由と、もし入れてしまった場合の対処法を解説します。
野菜室で肉を保存するとどうなる?
野菜室は温度が7〜10℃と冷蔵室より高く、湿度も20〜50%とやや高めに保たれています。
この環境は野菜にとって適していますが、肉には不向きです。
肉は温度が低いほど鮮度が保たれ、菌の繁殖を抑えられるため、2〜4℃に設定された冷蔵室が理想的。
一方、野菜室では温度が高いため、菌が繁殖しやすくなり、肉が腐敗しやすい状態になります。
特にひき肉やレバーなど傷みやすい部位は、数時間でも劣化が進むことがあるため注意が必要です。
また、湿度が高いことも問題。
湿気の多い環境では肉の表面に雑菌が増えやすくなり、見た目や臭いが悪化する原因になります。
誤って肉を野菜室に保存した場合の対処法
もし誤って肉を野菜室に保存してしまった場合は、いくつかのポイントを確認しましょう。
- 消費期限内かどうか
- 変色して黒ずんでいないか
- 臭いに異常はないか
まず、消費期限内かどうかを確認してください。
さらに、肉の色や臭いに異常がないかも重要です。
変色して黒ずんでいたり、酸っぱい臭いがする場合は、食べずに処分しましょう。
野菜室に入れてあっても大丈夫かどうかは、季節や野菜室を何度開け閉めしたかにもよっても変わってきます。
夏場はとくに色や臭いを念入りに確認した方がいいでしょう。
見た目や臭いに問題がなければ、しっかり火を通してから食べるようにします。
焼く、煮るなどの加熱調理を行えば、多少の菌は死滅するため安全です。レア状態での調理や生食は避けましょう。
また、今後の対策として、肉や魚は購入後すぐに冷蔵室やチルド室へ移動する習慣をつけると安心です。
とくに、ひき肉やレバーなど傷みやすい肉は、当日中に使い切るか冷凍保存することをおすすめします。
野菜室に入れない方が良い野菜7選
実は野菜室とはいえ、入れない方がいい野菜があることをご存知ですか?
原産地が暑い国の野菜は低温に弱いので野菜室には入れない方がいいんです。
野菜室に不向きな野菜の特徴
野菜室は温度が7〜10℃、湿度が高めに設定されているため、野菜の鮮度を保つには最適です。
しかし、一部の野菜はこの環境が合わず、低温障害を引き起こすことがあります。
低温障害とは、野菜が低温環境にさらされることで細胞が傷み、風味や食感が損なわれる現象のこと。
特に、原産地が温暖な地域の野菜や、常温で保存が適している根菜類は野菜室には不向きです。
具体的には、
- さつまいも
- じゃがいも
- れんこん
- ごぼう
- にんにく
- かぼちゃ
- たまねぎ
- 里芋
低温環境で保存すると変色や腐敗が進みやすく、味が落ちることもあるため注意が必要です。
また、温暖な地域が原産の夏野菜(トマトやなす、きゅうりなど)は、野菜室でも保存可能ですが、常温で早めに食べ切るのが理想的です。
常温保存の食品を新鮮な状態で保存してくれるフレッシュキーパーという商品もあります。
適切な保存方法と保存場所
野菜室に不向きな野菜は、常温か風通しの良い暗所で保存するのが基本。
風通しの良い暗所で保存することで、鮮度を保ち、栄養価の損失を防ぐことができます。
適切な保存方法と保存場所を表でまとめてみました。
野菜名 | 適切な保存方法 | 保存場所 |
---|---|---|
さつまいも | 新聞紙で包んで風通しの良い場所で保存 | 常温(暗所) |
じゃがいも | 新聞紙で包んで風通しの良い場所で保存 | 常温(暗所) |
れんこん | 湿度の高い場所で保存 泥付きのまま保存すると◎ | 常温または湿気のある場所 |
ごぼう | 風通しの良い場所で保存 泥付きのまま保存すると◎ | 常温(暗所) |
にんにく | 風通しの良い場所で保存 | 常温(暗所) |
かぼちゃ | 風通しの良い場所で保存 | 常温(暗所) |
たまねぎ | 風通しの良い場所で保存 ネットに入れて吊るすと長持ち | 常温(暗所) |
丸ごとの場合は常温でOKですが、カット後はラップで包んで野菜室に保管するようにしましょう。
カット後の野菜を保存するのに便利なグッズもあります。
こちらの保存容器はザルがついていて、水分をしっかり切ってくれます。
洗った野菜をそのまま保存しても、しなしなになったり、べちゃっとすることなく、鮮度を維持したまま保存できます。
おしゃれなデザインなので、そのまま食卓にも出せる手軽さがうれしい容器です。
冷蔵庫の各室を使い分けて食品の鮮度を保つ方法
冷蔵庫は「冷蔵室」「野菜室」「チルド室(パーシャル室)」といった複数の保存スペースがあり、それぞれ温度や湿度が異なります。
食品の種類に合わせて適切な場所を選ぶことで、鮮度を保ちやすくなります。
冷蔵室・野菜室・チルド室の特徴と適切な使い方
冷蔵室・野菜室・チルド室の特徴と適切な使い方を表形式でまとめました。
室名 | 温度/湿度 | 特徴 | 保存すべき食品 |
---|---|---|---|
冷蔵室 | 温度2~4℃/湿度低め | 温度が一定で安定しているため、幅広い食品を保存できる | 生肉、魚、乳製品、卵、調理済み食品 |
野菜室 | 温度7~10℃/湿度高め | 湿度が高いため、乾燥を防げる | 葉物野菜、果物、漬物 |
チルド室 | 温度0~2℃ | 冷蔵室よりさらに低温で、食材の鮮度を長く保てる | 劣化しやすい肉類や魚類、加工肉 |
最近はパーシャル室がついている冷蔵庫も多いです。
チルド室は凍らないギリギリの温度で保管するのに対し、パーシャル室は表面だけを軽く凍らせます。
どちらも食品の劣化を抑え、鮮度を長く保つことができます。
食品別の最適な保存場所ガイド
食品ごとに適切な保存場所を選ぶことが、鮮度を保つためのポイント。
代表的な食品と最適な保存場所をまとめました。
食品名 | 適切な保存方法 | 保存場所 | 備考 |
---|---|---|---|
野菜(根菜を除く) | 新鮮なうちに消費 | 野菜室 | 湿度が高めの場所で保存 |
果物 | 常温で熟成後、冷蔵保存 | 野菜室または常温 | カットしたものはラップをして冷蔵 |
肉(生肉) | 密閉して冷蔵保存 | 冷蔵室 | できるだけ早く消費 開封後は速やかに冷蔵 |
加工肉(ハム、ソーセージ) | 開封後は密閉し早めに消費 | 冷蔵室またはチルド室 | 保存温度を守り、賞味期限内に消費 |
卵 | カートンに入れて保存 | 冷蔵室 | 常に冷蔵 開封後はなるべく早く使用 |
乳製品(牛乳、チーズ) | 冷蔵保存 | 冷蔵室 | 未開封でも要冷蔵 開封後はなるべく早く消費 |
お米 | 密閉容器で湿気を避ける | 野菜室または冷蔵室 | 湿気や高温を避け、涼しく暗い場所で保存 |
野菜以外の漬物 | 開封後冷蔵 未開封は常温保存可能 | 野菜室 | 湿気を避けて保存 開封後は冷蔵庫に |
焼き魚、煮魚 | 密閉して冷蔵保存 | 冷蔵室 | 加熱後の保存は冷蔵庫 長期保存には冷凍も |
食材の最適な保存方法を把握することで、鮮度を保ちながら長く楽しめますし、冷蔵庫の管理が簡単になりますよ。
冷蔵庫の中で保存できる容器をいろいろ用意してみても。
こちらの商品はシリコン製で、保存できるだけではなく、湯せんやレンジ、オーブンにも対応しているので、そのまま調理することも可能です。
ハムやスライスチーズは冷蔵庫の中で乾燥しがちなので、開封後は保存容器に入れて保存するのもおすすめです。
野菜室と冷蔵室をきちんと使い分けて鮮度を保とう
この記事では、野菜室に入れるべき食材と避けるべき食材について詳しく解説しました。
野菜室は、野菜や果物には最適な保存場所ですが、肉や魚を保存するには温度が高すぎて危険です。
逆に、肉や魚は冷蔵室で保存するのが最適。
また、野菜室にはお米や漬物など、意外と野菜以外の食品も適しています。
正しい知識をもとに冷蔵庫を上手に使い分けることで、食材をより長持ちさせることができます。
冷蔵庫内を効率よく整理し、鮮度を保った食材を楽しんでください!