松ぼっくりを公園で見つけたものの、閉じたものばかりでがっかりしたことはありませんか?
きれいに開いていれば、クリスマスのツリーやリースなど工作に使えるのに……。
実は松ぼっくりは濡れていると閉じてしまう性質があるんです。
松ぼっくりの中には種が入っていて、なるべく遠くへ飛ばすことでどんどん増えることができます。
だから、雨の日や湿度が高い日には種が遠くへは飛ばないので閉じていて、晴れた日を待って種を飛ばすんですね。
つまり自然の法則を利用して、松ぼっくりを乾燥させてあげれば簡単に開くことができます。
この記事では
- 松ぼっくりを開かせる3つの方法
- 虫対策などの下処理方法
- おすすめの松ぼっくり活用方法
をご説明します。なるべく早く開かせたい、きれいに保存できるように開かせたいという方にもぴったりの方法もご紹介しますね。
松ぼっくりが開く仕組みがわかる絵本
松ぼっくりを開かせる3つの方法
- 自然乾燥法
- ドライヤー活用法
- 乾燥剤活用法
の3つの方法があります。ひとつずつ解説していきますね。
電子レンジでの加熱は、爆発の危険があり、松ヤニも大量に出てしまうのでおすすめしません。
自然乾燥法:時間はかかるけど確実!
自然乾燥法は、最も安全で確実な松ぼっくりの開かせ方です。
窓際や縁側など、日当たりと風通しの良い場所を選んで、松ぼっくりを置いておくだけでOK。
この方法のポイントは、直射日光が当たる場所を選ぶこと。朝から夕方まで太陽の光が届く場所なら、1日程度で徐々に開いてきます。
置き方にも少しコツがあります。
新聞紙やバスマットの上に松ぼっくりを並べると、下からも空気が通って乾きやすくなります。
また、松ぼっくりどうしが重なり合わないように、適度な間隔を空けて並べましょう。
湿度の高い日は乾きにくいので、除湿機を近くに置いておくと効果的。
天気や季節によって乾燥時間は変わりますが、夏場の晴れた日なら半日程度、冬場や曇りの日は1~2日ほどかかります。
焦らず気長に待つことで、自然な開き方になり、長期保存にも適しています。
ドライヤー活用法:急いでいる時におすすめ
急いで松ぼっくりを開かせたい時は、ドライヤーを使う方法がおすすめです。
この方法のポイントは、温度調節と距離感。
ドライヤーは必ず冷風モードか弱めの温風に設定し、20~30cm程度離して使用します。
近づけすぎると松ヤニが溶け出してしまう可能性があるので注意が必要です。
効率よく乾かすコツは、大きめのビニール袋に松ぼっくりを入れ、その中にドライヤーの風を送ること。
袋の中で空気が循環するため、まんべんなく乾燥させることができます。この方法は上靴などを乾かすときにも使える裏ワザ!
5分ほど温めたら一度確認し、必要に応じて松ぼっくりの向きを変えましょう。
全体が均一に開くまで、この作業を10~15分程度繰り返します。
途中で松ぼっくりが熱くなってきたら、一時中断して冷ましてから再開するのがコツです。
慣れないうちは、1個ずつ試してみることをおすすめします。
乾燥剤活用法:じっくり確実に
乾燥剤を使う方法は、手間がかからず、かつ確実に松ぼっくりを開かせることができます。
シリカゲルや除湿剤などの乾燥剤と一緒に、密閉できる容器やジップロックに松ぼっくりを入れるだけ。
特に、使い終わった除湿剤の再利用にぴったりです。
使用する乾燥剤の量は、松ぼっくり3~4個に対して乾燥剤1パック(100g程度)が目安。
乾燥剤と松ぼっくりが直接触れないよう、キッチンペーパーなどを間に入れるのがポイントです。
容器は窓際など、やや温かい場所に置いておくと、より効果的です。
半日から1日程度で開き始め、2日程度で完全に開ききります。
他の方法に比べて時間はかかりますが、カビの心配もなく、きれいな状態を保てるのが特徴。
大量の松ぼっくりを一度に処理したい時にもおすすめの方法です。
乾燥剤が湿気を含んで効果が弱くなったら、天日干しすると再利用できます。
松ぼっくりが閉じる理由と開く仕組み
乾燥させると閉じる松ぼっくり。仕組みを子どもに説明してあげると喜びますよ。
冒頭でもお話しした通り、松ぼっくりには、雨の日や湿度が高い時は閉じて、晴れた日や乾燥している時は開くという性質があります。
松ぼっくりの中には大切な種が入っています。
雨の日に種を飛ばしても、遠くまで運ばれにくいですよね。だから、松ぼっくりは賢く、晴れた日を待って種を飛ばすのです。
種を飛ばし終わって役目を終えた松ぼっくりは地面に落ちてきます。
それでも、松ぼっくりが開いたり閉じたりする性質は変わりません。地面に落ちた後も変わりません。
だから、開いた状態で落ちた松ぼっくりも雨の日や湿度の高い日に拾いに行くと閉じてしまっているんですね。
そんな松ぼっくりも乾かしてあげるとだんだん開いてくるんです。
閉じた状態で拾ってきてポケットに入れて置いたら、ポケットがパンパンに!なんてことも。
そんなエピソードが書かれている松ぼっくりのかわいい絵本もあるんですよ。娘のお気に入りです。
松ぼっくりの下処理の仕方
松ぼっくりを工作に使いたいのなら下処理するのがおすすめ。
汚れや松ヤニがついていますし、中に虫が入ってしまっていることも。
しっかりと下処理をするようにしましょう。
1. 水洗い:基本の下処理
松ぼっくりの下処理で最初に行うのが水洗いです。
拾ってきたばかりの松ぼっくりには、土やホコリ、小さな虫などが付いていることが多いため、丁寧に洗い落とすことが重要。
まず、ボウルにぬるま湯(30度程度)を入れ、松ぼっくりを優しく振り洗いします。
洗う際のポイントは、柔らかい歯ブラシや野菜洗い用のブラシを使うこと。
特に、松ぼっくりの隙間や裏面は汚れが溜まりやすいので、丁寧にブラッシングしましょう。
ただし、強くこすりすぎると松ぼっくりが傷んでしまうので注意が必要です。
水が濁ってきたら新しい水に取り替え、水がきれいになるまで2~3回繰り返します。
最後に流水でよくすすぎ、キッチンペーパーで軽く水気を拭き取ります。
2. 煮沸消毒:虫の退治と殺菌
水洗いが終わった松ぼっくりを煮沸消毒をしていきます。
この工程は、虫の退治と殺菌を同時に行える最も効果的な方法! どんぐりの下処理にも使えますよ。
鍋に水を入れて沸騰させたら、松ぼっくりを入れ、20分程度煮沸します。
煮沸中は、松ヤニや汚れが浮いてくるのが見えますし、中に潜んでいた虫も出てくることがあります。
普段使っている鍋を使うのは抵抗があるし、洗うのが大変なので100均で別途買ってくるといいですね。
私は直火OKのアルミ製の鍋焼きうどんの鍋をよく使います。何かと便利。
沸騰が弱くなってきたら、再度火力を強めましょう。ただし、激しく煮立てすぎると松ぼっくりが傷む可能性があるので、程よい沸騰を保つのがコツです。
煮沸後は、火傷に注意しながら菜箸やトングで松ぼっくりを取り出します。
熱いうちに新聞紙やペーパータオルの上に置き、余分な水気を吸い取らせます。
3. 乾燥:仕上げの重要工程
最後の工程が乾燥です。
この段階でしっかり乾燥させることで、カビの発生を防ぎ、長期保存が可能になります。
まず、風通しの良い日陰で2~3時間ほど自然乾燥させます。松ぼっくりは重ならないよう、適度な間隔を空けて並べましょう。
ある程度水気が引いたら、天日干しに移ります。
直射日光の当たる場所で、新聞紙やバスマットの上に松ぼっくりを並べます。
乾燥中は定期的に裏返しを行い、むらなく乾燥させることが大切です。
目安として、夏場なら半日~1日、冬場なら1~2日ほど乾燥させます。
完全に乾燥したかどうかの判断は、重さと手触りで確認できます。
乾燥が完了した松ぼっくりは、明らかに軽くなり、サラサラとした手触りになります。
乾燥後は、通気性の良い紙袋や段ボール箱に入れて保管しましょう。
下処理をした松ぼっくりはメルカリなんかで売れるんですよ……松ぼっくりを大量に拾ってきたらきれいに処理して出品しちゃうのもアリかも……!
松ぼっくりの意外な活用方法
拾って下処理をした松ぼっくりの活用方法を紹介します。
実はインテリアやタイマー、芳香剤として使えるんですよ。ひとつずつ解説しますね。
1. インテリアとして不思議なディスプレイ
松ぼっくりの瓶詰めは、見た人を驚かせる素敵なインテリアになります。
閉じた状態の松ぼっくりを、開いた時の大きさよりも少し小さい口径の瓶に入れるのがポイント。
すると、瓶の中で徐々に開いていき、「どうやって入れたの?」という不思議なディスプレイが完成します。
使用する瓶は、透明なガラス製がおすすめ。
大きさは松ぼっくりが2~3個入る程度で、蓋付きのものを選びましょう。
まず瓶をよく洗って乾かし、閉じた状態の松ぼっくりを入れます。
このとき、松ぼっくりが濡れていないことを確認するのが重要です。
瓶は直射日光の当たる窓際に置き、時々蓋を開けて内部の湿気を逃がしてあげましょう。
1週間程度で美しく開いた状態になり、長期間飾っておける素敵なインテリアに。
すき間にブリザーブドモスなどを詰めるとより自然な雰囲気になりますよ。
季節に合わせて、どんぐりや小さな造花を一緒に入れても素敵です。麻ひもやリボンで瓶を飾り付けてみても!
ブリザーブドモスってこんな感じ!
2. 植物の水やりタイマー
松ぼっくりの開閉する性質を利用して、観葉植物の水やりタイミングを知ることができます。
これは、特に水やりの加減が難しい植物を育てている方におすすめの方法です。
松ぼっくりのおしり(軸の部分)を、植木鉢の土に5分の1ほど差し込んでおくだけで、自然の水分計として機能します。
水やり直後は、土の水分を感知して松ぼっくりは閉じた状態に。
土が乾いてくるにつれて、徐々に開いていきます。
完全に開ききった時が水やりのベストタイミング。
これなら、水のやりすぎや水不足を防ぐことができ、植物の健康管理に役立ちます。
特に、サボテンや多肉植物など、水やりの間隔が難しい植物との相性が抜群。
ただし、松ぼっくりは3~4ヶ月程度で劣化するので、定期的な交換が必要です。
また、観葉植物の大きさに合わせて、松ぼっくりのサイズを選ぶと見た目もバランスが良くなりますよ。
3. 自然素材の芳香剤(森の香りを部屋に)
松ぼっくりには、天然のアロマ効果があります。
松の香りは青々とした森林の香りとよく似ていて、リフレッシュ効果やリラックス効果があると言われています。
この特性を活かして、自然な芳香剤として活用できます。
使い方は簡単。
きれいに下処理した松ぼっくりを、網かごやガラス容器に入れて置くだけ。
エッセンシャルオイル(ヒノキやユーカリ、スイートオレンジなど)を2~3滴たらすと、より豊かな森の香りを楽しむことができます。
玄関や洗面所、クローゼットなど、さりげなく置いておくだけで空間が爽やかになりますよ。
香りを長く楽しむコツは、時々日光に当てること。
熱を加えすぎると松ヤニが出てしまうので、直射日光は避けましょう。
2~3ヶ月程度で香りが弱くなってきたら、新しいものと交換します。エッセンシャルオイルを足してみても。
また、アロマオイルを使用する場合は、火には十分注意してくださいね。
松ぼっくりのクラフトアイディア
松ぼっくりをきれいにしたら、工作に使うのがおすすめ。さまざまなクラフトに使えます。
材料は100均でも探すことができますよ。
1.クリスマスオーナメント
松ぼっくりを使ったクリスマスオーナメントは、お部屋に自然な温かみをもたらす素敵なデコレーションになります。
作り方は簡単。
まず松ぼっくりをよく乾燥させ、ブラシで優しく汚れを落とします。
次に、耐水性のあるメタリックスプレーやラッカースプレーを使用してペイント。ゴールドやシルバー、ラメが入ったようなスプレーがおすすめ。
乾燥後、クリスマスカラーのサテンリボンを上部に結びつけます。
松ぼっくりの隙間にワイヤーで小さなベルや造花を差し込むと、より華やかな仕上がりに。
ニスを最後に吹きかけることで、長く楽しめる作品になります。ツヤも出ますし、防虫・防カビ効果もあります。
材料:メタリックスプレー・ラッカースプレー、リボン、ベルや造花などの飾り、ニス
2.ミニクリスマスツリー
卓上を華やかに彩るミニクリスマスツリーは、松ぼっくりの形状を活かした魅力的なクラフト。
製作には、安定感のある木製ベースと、強力な木工用ボンドかグルーガンが必須アイテム。
松ぼっくりを垂直に立てるため、ベースに小さな穴を開けて固定します。
穴を開けるのが大変という方はボンドやグルーガンでくっつけてしまいましょう。
装飾には、LEDのミニライトストリングがおすすめ。松ぼっくりのツリー以外でも飾りに使えますよ!
さらに、小さなデコレーションボールを松ぼっくりの隙間に接着すると、本格的なミニツリーに。
仕上げに、スノースプレーで軽く吹きかけると、雪化粧したような幻想的な雰囲気が演出できます。
材料:木製ベース、木工用ボンド、LEDライト、デコレーションボール、スノースプレー
3.松ぼっくりのリース作り
松ぼっくりリースは、玄関やリビングを季節感たっぷりに演出できる素敵なインテリアです。
土台には、ワイヤーリースフレームを使用。
まず、麻ひもでフレームを巻いて土台を作ります。
松ぼっくりを10~15個ほど、フローラルワイヤーを使って固定していきます。
隙間には、アーティフィシャルベリーや、プリザーブドフラワーを配置すると華やかさがアップしますよ!
リボンは、ワイヤー入りのものを選ぶと形が崩れにくく、見栄えの良いリースに仕上がります。
最後に、グルーガンで各パーツをしっかりと接着してあげれば完成です。
材料:ワイヤーリースフレーム、麻ひも、フローラルワイヤー、飾り付けの造花など、リボン、グルーガン
4.松ぼっくりで動物作り
松ぼっくりで作る可愛い動物たちは、子供部屋のインテリアや、プレゼントとしても喜ばれる作品です。
動物を作るなんていうとむずかしく聞こえますが、カラーフェルトと目のパーツ、装飾用の小物で簡単に作れます。
フクロウを作る場合は、フェルトで翼と目を作り、松ぼっくりの表面に接着。
リスの場合は、しっぽに使うモールやフェルトを用意し、耳や手足のパーツも作ります。仕上げに、小さなどんぐりや造花を持たせると、かわいいですよ!
接着には、布用ボンドが最適。しっかり付けたい人はグルーガンでも。
材料:カラーフェルト、目のパーツ、モール、どんぐりや造花、布用ボンドやグルーガン
閉じた松ぼっくりを開く方法まとめ
松ぼっくりは濡れていると閉じるけれど、乾燥すると開きます。
一日日当たりのいいところで干しておけば開きますが、早く乾かしたいならドライヤーで乾かしてしまうのがおすすめ。
乾かす前に汚れや虫を取るための下処理をしておくと工作などに使いやすくていいですね。
松ぼっくりの採取に最適な時期は10月~12月。この時期なら、状態の良い松ぼっくりを見つけやすいです。
自然からの素敵なプレゼントである松ぼっくりで、楽しいクラフトタイムを過ごしてみませんか?
松ぼっくりが開く仕組みがわかる絵本